• 滝の風景画を描く|パステルで表現する水と森の描き方

    滝を描こうと思った理由
    今回描いたのは、森の奥にひっそりと流れる滝の風景。
    日常の中で、ふと「音のない場所」に行きたくなる瞬間がある。
    忙しさや情報に囲まれていると、心の中までざわついてしまうけれど、水が落ちる景色を思い浮かべると、不思議と呼吸が深くなる。
    滝は、激しさと静けさを同時に持っている存在だと思う。
    上から下へ一直線に落ちる水は力強いのに、溜まった水面はとても穏やか。その対比が好きで、今回は「癒し」を主軸に描いてみた。
    画材と制作の進め方
    使用したのは、パステルを中心とした画材。
    まず全体を青緑系で大きく塗り、森の空気感を作るところから始めた。細かい形を決める前に、色の流れだけを意識するのがポイント。
    滝の部分は最初から白く描かず、周囲の色を先に整える。
    そうすることで、あとから入れる白が自然に浮かび上がってくる。
    水の動きは、細かく描き込みすぎず、縦のストロークを重ねることで「流れ」を表現した。
    緑と青のバランスについて
    この作品で一番意識したのは、緑と青のバランス。
    緑が強すぎると重くなり、青が多すぎると冷たくなる。その中間を探りながら、何度も色を重ねた。
    特に背景の森は、均一に塗らず、ところどころに明るい色を残している。
    これは木漏れ日や湿った空気を表現したかったから。
    あえてムラを残すことで、自然らしい曖昧さが生まれる。
    水面の表現で意識したこと
    滝壺の水面は、ただの平面にならないよう注意した。
    水は常に動いているものなので、横方向のストロークを入れたり、色の濃淡を変えたりして揺らぎを出している。
    白を強く入れすぎると泡っぽくなりすぎるため、少し抑えめに。
    静かだけど、生きている水。そんなイメージを大切にした。
    描いていて感じたこと
    描いている途中、だんだんと時間の感覚が薄れていった。
    音は聞こえないはずなのに、頭の中では水の落ちる音がずっと流れている。
    絵を描くことは、現実から少し離れて、心の中に場所を作ることなのかもしれない。
    完成した絵を眺めていると、「ここに座っていたら、きっと何も考えなくていいだろうな」と思えた。
    それだけで、この絵は十分役目を果たしてくれた気がする。
    おわりに
    この滝の絵は、上手く描こうとするよりも、「気持ちよく描く」ことを大切にした一枚。
    完璧ではないけれど、その揺らぎも含めて今の自分らしい。
    もしこの絵を見て、少しでも涼しさや静けさを感じてもらえたら嬉しい。
    また、次は違う時間帯の滝や、雨の日の森も描いてみたいと思う。

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