
こんにちは。今日は、胸から上を描いたペン画作品「花の国のリーリャ」について、
制作の流れや気持ちを綴っていきたいと思います。
最初に浮かんだのは「静かな春」でした
イメージがふっと降りてくるとき、それは言葉よりも空気感のようなもの。
この絵のスタートは「静かな春」という感覚でした。
ざわざわとした音が遠くに消えて、花の香りと陽だまりのやさしさだけが残る…
そんな世界に住む少女を描きたくなったのです。
彼女の名前は「リーリャ」。
花の国に住む、小さな花魔女の見習いです。
言葉を持たないけれど、花や風と心を通わせることができる少女。
そんな設定をふんわり思い浮かべながら、描き始めました。
構図と下描きについて
今回はバストアップの構図。
胸から上だけを描くことで、表情や首元の花飾り、髪の流れなど、細かい感情を描けます。
下描きはシャープペンシルでごく薄く。
線が主役になるペン画では、下描きは「迷わないための地図」です。
あまり描き込みすぎず、顔のパーツの位置や髪の流れ、花の配置をざっくり決めました。
中でも大事にしたのは、視線のやわらかさ。
リーリャの目線がどこを見ているのか…。
それだけで絵全体の雰囲気が決まってくると感じています。
ペン入れ – 線のリズムと余白の呼吸
使用したのは、0.05〜0.2のミリペン。
まずは顔周りからゆっくり描いていきます。
髪の毛は、風を感じるように一本一本流れを意識して。
筆圧を抜きながら描くことで、線がやさしく空気になじみます。
花はあえて線を詰めすぎず、少し余白を残しました。
顔や目元がしっかりしていれば、飾り部分はあいまいでも「空気感」として成り立ちます。
「静けさ」をどう描くか?
この作品でいちばん意識したのは「静けさをどう線で表現するか」。
線の太さ、密度、描く速さ――
それらはすべて絵の「音量」に関わると思っています。
筆圧を抑えたり、線の間に「間」をつくることで、
リーリャの世界にふさわしい静けさが生まれてきました。
背景も描き込みすぎず、彼女の輪郭を引き立たせています。
完成してみて思うこと
描き終えたとき、
言葉にしない「存在感」がそこにありました。
彼女は、花たちと一緒に春の風を待っている。
そんな静かな物語が、見る人にも伝わってくれたら嬉しいです。
おわりに:あなたの春に、そっと寄り添えますように
この作品のメイキングはYouTubeでも公開しています。
無言メイキングなので、リラックスしながらぜひご覧ください🌸
もし感想などありましたら、お気軽にコメントやメッセージくださいね。
この「花の国のリーリャ」が、あなたの心にそっと咲いてくれますように。